売上を追うのをやめたら、売上が数倍になった話

――マイクロマネジメントを手放してわかった「自走組織」のつくり方

1. 売上至上主義だった私の失敗

「売上を上げるには、社員に厳しく接し、数字を追い込ませるしかない」
かつての私は、本気でそう思っていました。
朝から晩まで数字の管理。

会議では厳しい言葉が飛び交う。
ボールペン一本の購入にも、私の許可が必要。
結果、数字は一時的に上がりました。

でも――
組織はボロボロでした。
離職者が続出し、私自身も心身ともに限界を迎えていました。

2. 経営が止まった日

転機は、自分の妊娠でした。
私は流産を3回繰り返していました。
妊娠継続のためには、緊急入院が必要でした。

動けない。
判断できない。
現場に立てない。

そのとき、気づいたのです。

「私がいないだけで回らない組織」は、
経営者として誇れる状態ではない、と。

画像

3. 「働きやすさ」に舵を切った理由

私は180度方針を変えました。
売上を追うのをやめる。
代わりに、「働きやすさ」を徹底的に追求する。

正直、怖かったです。
甘くなるのではないか、と。

でも結果は逆でした。

売上は数倍に伸び、表彰を受ける組織へと生まれ変わったのです。

4. 組織を変えた3つの柱

画像

① 心理的安全性の確保

「失敗を報告しても怒られない」
この安心感が、隠れていた問題をゼロにしました。
問題が早く見える。
だから改善も早くなる。

② 「役割」ではなく「存在」を認める

一人ひとりと対話する時間を作りました。
数字ではなく、
“その人”を見ました。

③ プロセスの可視化

「頑張れ」という精神論をやめました。
誰でも成果が出せる仕組みを整える。
感情ではなく、構造で解決する。

5. 最初にやったことは、たった一つ

それが、スタッフアンケートです。

「何を大切に思って働いていますか?」
半数以上のスタッフがこう答えました。

「お客様とのおしゃべりが楽しい」

画像
庭をお喋りしながら散歩するスタッフとお客様
私の心もほっこりする写真です

私は気づいていなかったのです。
やりがいがどこにあるのか。
向き合っていなかったのです。

情けなかった。
会社の“形”ばかりを気にして、
人の“心”を見ていなかった。

支援先企業様でも必ずアンケートを取ります。
多くの経営者は怖がります。

「苦情だらけだったらどうしよう」

わかります。
でも、向き合うことからしか始まりません。

正直に言います。
私はマイクロマネジメント経営でしたから、
苦情は山のように出ました。

「ここまで言われるんだ…」
と思いました。

でもそれが、再生のスタートでした。
だから言います。

うちより酷いアンケート結果は、見たことがありません。

怖がらなくて大丈夫です。

6. 環境を変えると、人は変わる

アンケートで見えた「大切にしていること」。
それに集中できる環境をつくりました。

ポイントはこれです。
・人の頑張りに頼らない。
・思いやりに期待しない。
・環境を整える。

仕組みで行動をつくる。
感情を抜き、客観的に整える。
これが“自走組織”の土台です。

7. やりっぱなしにしない「振り返り」

私の悪い癖は、やりっぱなし。
だから仕組みにしました。
一定期間後に振り返る。

年に1回アンケートを取る。
今でも毎年ドキドキします。
でも、その緊張感が組織を健全に保ちます。

8. 売上は、後からついてくる

目の前の社員が、笑顔で働けているか。
そこに集中する。
すると不思議なことに、
・離職が減り
・改善スピードが上がり
・紹介が増え
・売上が伸びる

売上は、追うものではなく、
整った組織の“結果”でした。

私たちが20年かけてたどり着いた答え。

「働きやすさ」は甘さではない。

それは、最も合理的な経営戦略です。

もし今、
数字に追われて苦しいなら、
一度、社員の声を聞いてみませんか。

皆さんの企業はどのような工夫をされていますか?
仕組みありますか?